2022年9月アーカイブ

2022年9月26日

「いつ」「何を」食べるか・・・時間栄養学とは?

 

時間栄養学とは?
「何を」「どれだけ」食べるかという従来の栄養学に、体内時計の働きに基づいて「いつ」「どのよ うに」食べるかの視点を加えた学問が時間栄養学です。私たちの体の中で行われている消化、吸収、 代謝の働きは体内時計によって大きく左右されています。そのため、体内時計を考えた食生活を送る ことは、体調管理の大切な第一歩。逆に体内時計を無視した食生活は体調を崩す原因となります。 

 

 

食事と体内時計の関係

体内時計には、「主時計」と「抹消時計」があり、主時計が末梢時計の働きに影響を与えています。 地球の自転は24時間ですが、体内時計のリズムは24時間より15分~30分程度長いため、脳の 主時計は朝の光で、抹消時計は朝食を摂ることで調整することが必要となります。 シフトワークや極端な夜型で体内時計のリズムが乱れると、肥満や糖尿病のリスクが高まることもあ りますので、体内時計を適切にリセットすることがとても大切になります。 朝の光の刺激と朝昼夜の食事の刺激で規則正ししい日周リズムに調整し、健康的な生活を維持しま しょう。

 

 

 

 

体内時計にあわせた食べ方 

 

(1)朝食

●たんぱく質豊富な食材のおかずをしっかりと食べる 肉や魚、大豆製品、乳製品は良質なたんぱく質を多く含む食材ですが、これらを朝食でしっかりと食 べるとよいでしょう。朝食と夕食でのたんぱく質摂取量を比べた時、朝食にたんぱく質を摂る人は筋 肉量が多く握力が高めだったというデータがあります。特に高齢者では朝食にたんぱく質の量を多く したほうが筋肉の保持や血糖コントロールに良い影響があるとのことです。

 

(2)間食

●間食をするなら、たんぱく質を補充できるものを選ぶ 一般的に朝食時のたんぱく質摂取量が少ない傾向があるので午前中の間食はたんぱく質を補充できる ようなものがよいでしょう。プロテイン表示のあるヨーグルトやプロテインバーなどの商品が多く販売 されているので活用してみるのもよいでしょう。

●午後の間食はセカンドミール効果が期待できる 遅い夕食は高血糖になりがちですが、午後の間食でそれを予防することができます(セカンドミール 効果)。午後の間食では胚芽入りビスケットやチーズ、ヨーグルトなど食物繊維やたんぱく質が豊富な ものを選ぶとよいでしょう。

 

 

(3)昼食

 

●少量すぎに注意 「朝:昼:夕」の食事の割合は「4:3:3」昼食は軽めの朝食と同じくらい食べましょう。昼食を を軽めにするためカリウム不足を補える野菜を積極的に摂取できるとよいでしょう。

 

(4)夕食

●朝食後12時間以内に食べるのが理想的

何も食べずに過ごす絶食時間が12時間以上あると体重減少や睡眠の改善ができたという研究がありま す。つまり絶食時間を長くすると太りにくくなりぐっすり眠れるということです。±2時間までは許容 範囲とのことですが、塾や仕事で夕食が遅くなるときには、理想の夕食時間におにぎりやパンなどの 主食を摂っておき、帰宅後におかず(肉・魚・野菜など)を摂ると、体内時計が乱れにくくなります。

 

●夕食は軽めに食べる

炭水化物(ご飯、パン、麺類など)は日中の半分程度。夕食では筋肉をつけるために大量のたんぱく 質を摂っても効果がないという研究結果があります。筋肉をつけたいときには朝食にタンパク質量を 増やすとよいでしょう。朝食の量を増やし夕食を軽めにすることで肥満の解消につながった例もあ り、高脂肪の夕食は肥満になりやすいので避けましょう。また、骨を意識する場合は乳製品や大豆製 品は夕食に摂ると効果的です。

 

●寝る前・夜食には注意

寝る前2時間は食べ物を口にしないことが大切です。もしも食べるなら低炭水化物でたんぱく質や分岐 鎖アミノ酸を含むもの(黒豆、チーズ、牛乳など)を少量にしましょう。

 

 

 

時差ボケやシフトワークも食べ方次第で乗り切れる

 

時差ボケは体内時計の乱れから生じますが、機内食の食べ方である程度防げるとのこと。機内での食 事は目的地での朝食に当たる時間から食べ始め、目的地での食事時間に合わせて機内で食事します。 食事のリズムが整っていると時差ボケは少なくなります。また、夜勤と日勤が交互のシフトワークの 方の場合は絶食後、その日の最初の食事を朝食と位置づけ一日の食生活を組み立てることで体内時計 がリセットされ体への負担を減らすことができます。

 

2022年9月2日

骨粗鬆症予防には、対策と食生活が決め手です。

骨粗鬆症とは

 

 

骨粗鬆症とは、骨の強さ(骨強度)が低下し骨折の危険性が増加する疾患です。

骨粗鬆症の予防ガイドラインには‘’骨粗鬆症は骨の「病的老化」で、明らかな「疾 患」であり、骨折は骨が脆くなるために起こる合併症で、予防および治療が必要 である‘’と記述されています。 治療については専門の医療施設を受診していただく必要がありますが、ここでは 予防について、主に栄養面からのアプローチをお伝えさせていただきます。

 

 

 

 

要因

 

 

 

除去できない危険因子・・加齢・女性・人種・家族歴・遅い初潮・早期閉経・過去の骨折

除去できる危険因子・・・カルシウム不足・ビタミンD不足・ビタミンK不足・リンの過剰摂取・食 塩の過剰摂取・過度なダイエット・運動不足・日照不足・喫煙・角の飲酒・多量のコーヒー摂取

除去できない危険因子については変えようがないため、骨量減少を最小限に留めることを基本として 除去できる危険因子を取り除いた生活をすることが大切です。

 

 

予防のための食事

(1)バランスの良い食事

骨=カルシウムと頭に浮かぶ方も多いかと思いま す。しかし、骨はカルシウムだけで構成されている わけではありません。骨形成にはカルシウム、タン パク質、ビタミンD、ビタミンK、葉酸など様々な栄 養素が必要であり、これらは食品から摂取する必要 があります。 必要な食品をしっかりと補うためには朝・昼・夕の 3度の食事で[主食(エネルギーのもと)+主菜 (血や肉、骨を作るもと)+副菜(主菜や主食を身 体の中で上手に使うために必要なビタミン、ミネラ ルのもと)]このようなバランスの良い食事を摂る ことが大切です。

(2)「カルシウム」の豊富な食材

◆牛乳・乳製品 カルシウムが豊富で、吸収率に優れています。 ◆小魚・魚類 まるごと食べられるような小魚は身を食べるだけよりも多くカルシウムを摂取するこ とができます。また、さばやイワシ缶詰のように骨まで食べられるような加工食品も多くのカルシウム を摂取することができます。 ◆青梗菜・小松菜などの青菜と呼ばれる野菜類 カルシウムも豊富ですが、ビタミンKも含まれてお り、カルシウムの骨吸収に役立ちます。 ◆昆布・わかめ、ひじき等の海藻類やごま、桜えび、切り干し大根、干ししいたけなどの乾物類。 家庭に常備しやすい食材なので購入しておけばいつでも手軽に使うことができます。

サプリメントや薬剤による過剰摂取については心疾患のリスクが高まるなどの報告もあるため用法、 用量を必ず守ってください。通常の食事からの摂取については特に問題ないと言われています。

 

(3)「ビタミンD」「ビタミンK」が豊富な食材

ビタミンDは小腸でのカルシウムの腸管吸収を促進させ、血中カルシウム濃度を一定に調整する重要な 働きがあり、ビタミンDが不足すると低カルシウム血症となり骨の軟化が起こります。また、ビタミン Dは紫外線に当たることで活性化されるので、関東圏では正午頃の日の高い時間で夏場10分程度、冬 場30分程度日光に当たるようにしましょう。

 

◆鮭やマグロ、サバなどの脂溶性の魚類はビタミンD が豊富に含まれています。

◆きのこ類にも含まれますが、干ししいたけなどのように紫外線に当てたものや、冷凍したきのこ類 はビタミンDの含有量は多くなります。

ビタミンKは骨に存在するオステオカルシンというタンパク質を活性化し、カルシウムを骨に沈着させ て骨の形成を促す作用のある物質です。

◆K、K1、K2の含有量が豊富な食材は肉類、乳類、卵類、油脂類、小松菜やブロッコリーといった緑 黄色野菜類、納豆などの大豆類、海藻類。

※ビタミンDもビタミンKも脂溶性のビタミンなので油と一緒に摂ると吸収率が上がります。




(4)控えたほうが良い食べ物

コーヒー、リン(インスタント食品、スナック菓子、加工食品等に含まれる)、アルコール、食塩につ いてはカルシウムの吸収を妨げたり、カルシウムの排泄を促してしまう働きがあるので過剰摂取に注意 しましょう。

 

 

 

【オススメ料理】

 

 

 

 

 

 

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