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2023年3月6日
骨粗鬆症の予防法できる生活習慣とは
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、骨の強さ(骨強度)が低下し骨折の危険性が増加する疾患です。 骨粗鬆症の予防ガイドラインには‘’骨粗鬆症は骨の「病的老化」で、明らかな「疾 患」であり、骨折は骨が脆くなるために起こる合併症で、予防および治療が必要 である‘’と記述されています。 治療については専門の医療施設を受診していただく必要がありますが、ここでは 予防について、主に栄養面からのアプローチをお伝えさせていただきます。
◆除去できない危険因子・・加齢・女性・人種・家族歴・遅い初潮・早期閉経・過去の骨折 ◆除去できる危険因子・・・カルシウム不足・ビタミンD不足・ビタミンK不足・リンの過剰摂取・食 塩の過剰摂取・過度なダイエット・運動不足・日照不足・喫煙・角の飲酒・多量のコーヒー摂取
除去できない危険因子については変えようがないため、骨量減少を最小限に留めることを基本として 除去できる危険因子を取り除いた生活をすることが大切です。
予防のための食事
(1)バランスの良い食事
骨=カルシウムと頭に浮かぶ方も多いかと思いま す。しかし、骨はカルシウムだけで構成されている わけではありません。骨形成にはカルシウム、タン パク質、ビタミンD、ビタミンK、葉酸など様々な栄 養素が必要であり、これらは食品から摂取する必要 があります。 必要な食品をしっかりと補うためには朝・昼・夕の 3度の食事で[主食(エネルギーのもと)+主菜 (血や肉、骨を作るもと)+副菜(主菜や主食を身 体の中で上手に使うために必要なビタミン、ミネラ ルのもと)]このようなバランスの良い食事を摂る ことが大切です。
(2)「カルシウム」の豊富な食材
◆牛乳・乳製品 カルシウムが豊富で、吸収率に優れています。 ◆小魚・魚類 まるごと食べられるような小魚は身を食べるだけよりも多くカルシウムを摂取するこ とができます。また、さばやイワシ缶詰のように骨まで食べられるような加工食品も多くのカルシウム を摂取することができます。 ◆青梗菜・小松菜などの青菜と呼ばれる野菜類 カルシウムも豊富ですが、ビタミンKも含まれてお り、カルシウムの骨吸収に役立ちます。 ◆昆布・わかめ、ひじき等の海藻類やごま、桜えび、切り干し大根、干ししいたけなどの乾物類。 家庭に常備しやすい食材なので購入しておけばいつでも手軽に使うことができます。
サプリメントや薬剤による過剰摂取については心疾患のリスクが高まるなどの報告もあるため用法、 用量を必ず守ってください。通常の食事からの摂取については特に問題ないと言われています。
(3)「ビタミンD」「ビタミンK」が豊富な食材
ビタミンDは小腸でのカルシウムの腸管吸収を促進させ、血中カルシウム濃度を一定に調整する重要な 働きがあり、ビタミンDが不足すると低カルシウム血症となり骨の軟化が起こります。また、ビタミン Dは紫外線に当たることで活性化されるので、関東圏では正午頃の日の高い時間で夏場10分程度、冬 場30分程度日光に当たるようにしましょう。
◆鮭やマグロ、サバなどの脂溶性の魚類はビタミンD が豊富に含まれています。 ◆きのこ類にも含まれますが、干ししいたけなどのように紫外線に当てたものや、冷凍したきのこ類 はビタミンDの含有量は多くなります。
ビタミンKは骨に存在するオステオカルシンというタンパク質を活性化し、カルシウムを骨に沈着させ て骨の形成を促す作用のある物質です。 ◆K、K1、K2の含有量が豊富な食材は肉類、乳類、卵類、油脂類、小松菜やブロッコリーといった緑 黄色野菜類、納豆などの大豆類、海藻類。
※ビタミンDもビタミンKも脂溶性のビタミンなので油と一緒に摂ると吸収率が上がります。
(4)控えたほうが良い食べ物
コーヒー、リン(インスタント食品、スナック菓子、加工食品等に含まれる)、アルコール、食塩につ いてはカルシウムの吸収を妨げたり、カルシウムの排泄を促してしまう働きがあるので過剰摂取に注意 しましょう。